信用情報機関のブラックリストってなに?

信用情報機関とは

信用情報機関とは、貸金業者から、個人の借入額や返済状況などの情報を収集・管理し、貸金業者からの要請に応じて収集した情報を提供する機関です。

信用情報機関の役割

たとえば、クレジットカードを作ろうと思ったとします。

クレジットカードのキャッシング機能はもちろん、ショッピング機能の利用も、借金です。
そのため、クレジットカード会社はカードを作る前に、その人が本当にお金を返せるような人なのか、合計どれくらいまでなら貸しても良さそうな人なのか、審査をします。
しかしながら、以前からその会社のクレジットカードを利用していた人ならある程度の情報はあるでしょうが、初めて利用するような人の情報はなにもないので、審査しようにも情報が不足しています。
もちろん、クレジットカードを作ろうとする人の申告する情報も審査の対象にはなるのですが、嘘をついているかもしれません。

  • たとえば、年収300万円に対し、すでにサラ金などから1000万円以上の借金をしていて、到底返せる見込みがない人にお金を貸しても回収可能性などないでしょうが、こういった情報を隠されてしまっては困ります。

そこで、信用情報機関というところが、各貸金業者からその人が借りているお金の額や返済状況などの情報を横断的に収集し、この人はいくら借りてますよ、返済は滞ってはいないようです、などという情報提供をしているのです。
クレジットカード会社としては、こういった信用情報機関から開示を受けた情報をもとにしてクレジットカードの審査を通すか、審査を通すとして限度額はいくらまでにするかなどを判断しているのです。
このように、貸金業者からすれば非常に便利な機関です。

債務整理をすると信用情報機関のブラックリストに登録される

信用情報機関は、事故情報(異動情報などとも言います)というものも収集・提供しています。いわゆるブラックリストというものです。
事故情報というのは、たとえば61日以上の滞納など、この人は過去にスムーズな返済がされなかったことがありましたという情報です。
事故情報を見た貸金業者としては、この人は金融事故を起こしてしまった人なので信用できないな、自分のところでも金融事故を起こされたら困るなと判断してお金を貸し渋るケースが多いです。
債務整理もこの事故情報の一種として登録されます。つまりいわゆるブラックリストに登録されることになりますので、登録されている期間以下のようなデメリットが出る可能性が高いです。

  • ・新しくお金を借りられなくなる
  • ・新しくクレジットカードを作れなくなったり、更新時に更新を拒否されたりする
  • ・登録されている間、住宅ローンなどのローンを組めなくなる

ブラックリストからは時間経過で消えます

しかしながら、このような事故情報は一生残るものではありません。
債務整理の種類にもよりますが、5年~10年で消えます。

  • ・任意整理や個人再生は5年
  • ・破産は10年

で消えるのが一般的です(なお破産についてはCICは7年、JICCは5年とされています)ので、一生ついてまわるようなものではなく数年で消えるものと思われて大丈夫です。

ブラックリストはそんなに恐れるものではありません

ブラックリストの話をすると、「え、それは困る」と言われる方もいます。
そういった方は将来のことも考えて「困る」と考えるのでしょうが、将来のことを考えるのであれば、むしろ債務整理をしないほうが「困る」ことのほうが多いです。
債務整理をしないということは、そのまま借金を返し続けるということです。

債務整理をすることによる経済的メリットは大きい

たとえば、いろいろな業者から計300万円を年利18%で借りていたとしましょう。
年間の利息は54万円です。
利息というのは払ったらなにか得があるというものではありません。

単純に年54万円捨てているだけです。

しかも弁護士に相談に来られる方の多くはほとんど元金が減らないという方が少なくなりません。
ブラックリストにのるのを回避したいという思いから5年間借りては返してを繰り返して、結果、5年で270万円を利息で捨て、さらに300万円の借金もまるまる残ったままということになる方は多いです。
これに対して、たとえば任意整理をしたとしましょう。

  • 任意整理をすれば、原則として利息をカットして、元金だけ払っていくことになりますので、利息で捨てていただけの年54万円を元金の返済に回せるのです。

任意整理をしなければ5年かけて270万円払っても元金は1円も減らないにもかかわらず、債務整理をすればこの利息分として支払っていたお金のぶんだけで元金が270万円も減るのです。
このように、5年で消えるブラックリストにのることよりも金銭的なメリットのほうがはるかに大きいのではないでしょうか。
住宅ローンを組めなくなるのは困るといってブラックリストにのることに難色を示す方もいるのですが、債務整理をして、ブラックリストから消えるまでの間、頭金を作ったほうがはるかに得ではないでしょうか。

借りている額も信用情報機関に登録されている

信用情報機関では、その人がいくら借りているかも登録されています。
しかも、総量規制というものがあり、その人の年収の3分の1以上はお金を貸してはいけないということになっています。
すでに総量規制にひっかかっているのであれば、ブラックリストにのっているのと大差ありません。
ブラックリストに登録されることはそんな恐れるようなものではありません。

クレジットカードかわりにデビットカードの利用を

また、クレジットカードがないと困るなぁという人はデビットカードの利用をおすすめします。
デビットカードは銀行の預金とリンクしていますので、借金ではありません。
借金ではないので、その人の信用がどうのというのは関係ありません。ただ、銀行口座に預金が入っていればそれだけで良いのです。
そのため、ブラックリストに登録されていてもデビットカードは問題なく作れるケースがほとんどです。
最近はVISAデビットといって、VISAがつかえるお店であればどこでも使えるデビットカードもあり、なかなか便利です。

破産をした人に積極的にお金を貸してくれる業者もいたりします

あまり大声では言えないのですが、一部、破産をした人に積極的にお金を貸してくれる貸金業者もいます。
破産をしたら他の業者からの借金も消えているし、再度の破産もそう簡単にはできないからこの人はお金を返してくれるだろう、ということなのでしょう。

ただ、借金が破産の原因になったのですから、借金はできるだけ控えるべきです。

ちなみに、どうしても借りなきゃいけない場合でも絶対にヤミ金からは借りてはいけません。よく知らない業者からお金を借りようとする場合には、必ず、貸金業登録をしている業者かを確認するようにしてください。

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