個人融資掲示板等で借金することのリスク
その他個人融資掲示板という、個人間でお金の貸し借りをしたい人を募集する掲示板があります。SNSでも「個人間融資」のハッシュタグでお金を必要としている人と融資したい人がそれぞれ募集をかけているのを見かけます。
お金を貸す側の人たちは「審査なし」「在籍確認なし」「即日振込」をアピールし、融資先を募っています。今すぐお金が必要な人にとってこうした審査の甘い借入先は魅力に感じるかもしれません。
確かに個人融資掲示板や個人間融資自体は違法ではないのですが、個人間での融資を利用するべきではありません。
Contents
個人融資掲示板の仕組み
個人融資掲示板や個人間融資はお金を借りたい人が貸してくれる人を探し、反対にお金を貸したい人がお金を借りたい人を探すことで成り立っています。
↓
②お金を貸したい人から連絡を取る
↓
③契約成立
といった流れで融資されます。反対に、貸す人が掲示板やSNSに投稿し、借り手側が返信して連絡を取り合うことで契約が成立することもあります。
未成年や無職の方、カードローンの審査に落ちた人や今すぐにお金が必要な人にとって、正規の消費者金融はハードルが高く、厳しい審査のない個人間融資は身近に感じられるでしょう。その上、貸す側も「困った時はお互い様」「少しでもお役に立ちたい」といった親切な言葉を用いているので、借り手側も「この人なら安心してお金を借りられるかも」と思われるかもしれません。
ですが、そのほとんどは闇金や詐欺などの悪質なものばかりです。犯罪の被害に遭う可能性もあるので、利用してはいけません。
個人間融資によって起こりうるリスク
個人融資掲示板やSNSでの個人間融資で借金をすると、次のようなリスクがあります。
個人を騙った闇金だった
個人でお金を貸してくれるアカウントだったと思ったら、実は闇金業者だったというケースです。闇金は消費者金融に借り入れを断られた人などに対し高金利で貸付し、返済が滞れば強引な取り立てをすることは広く知られています。
だからこそお金を借りる側は闇金以外の人と取引をしようとするのですが、個人間融資なら相手が闇金だと気づかずに申し込みしてしまいます。たとえ個人を装っていても、背景に反社会的勢力がいる可能性があることを忘れてはいけません。
個人情報が漏えいする
個人間融資では、借り入れの際に、住まいの都道府県、名前、口座情報などお金を貸す人に伝えます。そうした個人情報は、融資する側にとってはいわば「カモ」のようなもので、他の貸主に個人情報がシェアされることあります。
すると、全く知らない業者から「うちでお金を借りませんか?」といった迷惑電話がしつこくかかってきたり、悪質なケースでは何の予告もなくお金が振り込まれたりすることがあります。
融資を装った詐欺もある
個人融資掲示板で契約成立した貸主が「あなたが信頼できる人かどうか判断したいので、先に2万円を振り込んで欲しい」「手数料として1万円を振り込んでもらい、入金確認後に融資する」などと申し出てくることがあります。業者によってはAmazonギフトカードやiTunesカードを指定してくるところもあるようです。
その後にお金が振り込まれることはおそらくないでしょう。連絡を取っても音信不通になり、結局お金を借りられず詐欺の被害に遭うことも十分に考えられます。
性犯罪被害のリスク
借り手が女性の場合、返済が滞った際に借主が性的な画像を要求してきたり、さらにエスカレートして行為を要求されたりします。
オンラインでアップした画像を完全に消し去ることは不可能です。こうした無茶な要求を絶対に受け入れてはいけません。
犯罪に加担させられる
貸主側は、借り手が金銭的に困窮している立場を悪用して「使用していな銀行口座があれば3万円で買い取ります」と提案してくることがあります。
こうした銀行口座は、振り込め詐欺の振込先口座として利用されることがあります。つまり、間接的に犯罪行為に加担していることになるのです。
正規の消費者金融から借り入れできない場合の対処法
消費者金融は利用できない、個人融資掲示板や個人間融資も危険だから使えないとなると、どうすればいいのかと思われるかもしれません。
そのようなときにおすすめしたいのが任意整理です。任意整理は、弁護士を通じて貸主に対して、返済方法を変更してもらったり利息を下げてもらえたりしないか交渉し、無理のない返済計画を立て借金をした人の生活を立て直すものです。
任意整理を依頼された弁護士は、貸主に「受任通知」を送るので、借金の催促の連絡は止まります。受任通知は法的拘束力があり、受け取った貸金業者や金融機関は電話や訪問などの返済を促す行為は一切できなくなるためです。
その間に借金の返済方法について弁護士と計画を立てて進めていけます。個人融資掲示板や個人間融資を利用する前に、債務整理に詳しい弁護士に相談し、生活の再建を目指しましょう。
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